映画『恋人までの距離』に学ぶ最高に使える英語の口説き文句
こんにちは、まことです。
先日、フランスに行ってきまして。
(エッフェル塔の真下から撮った写真 笑)
実はあんまり、フランスとかパリとか、
興味がなかったのです。
でも、誘われたら基本は「YES」なぼくは、
「行きましょう!」と即答して行ってきました。
ところがパリについての知識はみじんもない。
興味もわかない。
だから、飛行機の中でせめて、パリが出てくる映画を見ることにしました。
それであれこれつけたり消したりして、ようやく定めたのは、
すでに何度も見たぼくの大好きな映画のシリーズでした。
これは3部作の2本目で、パリが舞台。
だけど、今日書きたいのは、この映画ではなく、
3部作の1本目。
原題は”Before Sunrise”。
アメリカ人とフランス人が出会って恋に落ちる、
要は恋愛映画なんだけど、つくりはかなり特殊で。
映画のほとんどが、二人の会話で成り立ってるんです。
2時間ひたすらしゃべりっぱなし。
視聴者はその会話を聞くだけ。
だからかなり見る人を選ぶ映画だとは思うし、
興味がなければ別に見る必要もないと思います!
ただ、この中で出てくる「あるセリフ」が、
とっても「使える」と思うし、なによりぼくは素敵だと思ったのです。
この記事の目次
そのセリフが出るまでのカンタンな状況説明
アメリカの若い男性と、フランスの若い女性が、
ヨーロッパの長距離列車の中で出会います。
ふとしたきっかけから2人は話すようになり、意気投合。
男は、もっと話していたい。
ところが2人は降りる場所が違う。
男が降りる電車の駅についたとき、一度はそのまま降りようとします。
しかし思い直してすぐに女のところへ戻り、
「ここで一緒に降りよう!」と提案する。
しかし女はパリの家に帰らなければいけないから、
すぐには首を縦にふらない。
そのあたりのセリフからです。
※この記事の最後に、このシーンの動画を埋め込んであります。
セリーヌを電車からおろそうと必死に説得するジェシー
男性の名前は「ジェシー(Jesse)」。
女性の名前は「セリーヌ(Celine)」です。
訳:自分でも認めるけど、今、すごく馬鹿げた考えがうかんでるんだ。
「admitted=一般の認めるように、衆目の認めるように」だそうです。
「admit=認める」だから、これが「admitted=認められた」になって、
lyで副詞化して「admittedly=認められているように」になっているのだと思う。
訳:もしこれを訊いておかなければ、ぼくは残りの人生ずっと後悔し続けると思う。
“it’ll be one of those things that will haunt me forever”という表現がすごく面白い。
「haunt=呪う」を使って、「このことが一生自分を呪うだろう」と表現している。
たぶん普通に訳せば「後悔するだろう」的な感じになると思うんだけど、
この辺の言い回しができるようになったらすごくカッコイイ。
訳:え、え、なに!?
突然戻ってきて矢継ぎ早に話されたセリーヌは、当然混乱している。
しかもまだ話は具体的になっていない。
この後話されるだろう内容に、とまどいながらも興味を引きつけられている状態。
訳:キミともっと話していたいんだ。
訳:つまり・・・キミがどうかはわからないけど、でもぼくは、感じるんだ。その、ぼくらの間には、何か通ずるものがあるって。
“I feel like we have some kind of…connection“がとってもズルい。
「I=ぼくは」→相手の感情だから否定出来ない
「feel=感じる」→感覚的なものだから否定できない
「some kind of」→とにかくぼやかしているので否定しようがない
「connection」→意味しているものがはっきりしないので、否定出来ない
という感じで、「NO」を言いにくいセリフになっている。
おまけにその前に”I have no idea what your situation is”と、
「あなたがどうかはわからないけど」と、断りまで入れて、
ハードルを下げている。
訳:私も同じように感じてた。
訳:じゃあこんなのはどうかな。ウィーンで、ぼくと一緒に降りてほしい。一緒に町を回ろう。
明確なCall To Action。
早口で一気にまくし立てる。
訳:さあ!きっと楽しいよ。さあ!
訳:なに?降りて何するの?
笑って興味を引かれながらも、まだ腰は重い様子。
訳:わからない。
訳:わかってることは、明日の朝9:30のオーストラリア航空の飛行機に乗らなきゃいけないってことと、ホテルに泊まるお金は持ってないからおそらくは一晩中、歩きまわることになるだろうってこと。
そして、もしキミが一緒に来てくれたらずっとずっと楽しくなるだろうってことだだけだ。
訳:もし僕がヘンタイだって判明したら、いつぼくを放り出してもいいし、次の列車に乗って帰ればいい。そうだろ?
「bail」は、「船のそこにたまった水を汲み出す桶(おけ)」のことだそう。
「bail out」で、「水をくみ出す」とか、「脱出する」的な意味になるようだ。
ここでは冗談めかしながら、相手の選択の自由の保証し、提案を受け入れやすくしている。
「anytime=いつでも」はリスクフリーであることをうたいやすい言葉だし、
「次の列車に載って帰ればいい」も非常に具体的な提案で安心しやすい。
しかも、「もし・・・」と仮定の話にすることで抵抗を下げている。
ヘンタイだと判明するのも、次の電車に乗って帰るのも、
すべては一旦ジェシーの提案を想像上で受け入れた後のことだ。
いよいよ、セリーヌを列車からおろした説得のセリフ
訳:よし、わかった。こう考えてみてほしい。
訳:ずっと先に、ジャンプしてみよう。10年、20年、そして、キミは結婚している。
訳:キミの結婚生活には、かつてあったようなエネルギーはもうない。
訳:キミは、旦那さんを責めはじめる。
訳:キミは、考えはじめる。これまでの人生で出会った男たちのことを。そして、もし、彼らのうち1人を選んでいたら、今ごろどうなっていただろうか、と。
訳:ぼくは、その昔の男たちの一人だ。
訳:ぼくはその一人なんだ。だから、タイムトラベルをしたと考えてみてほしい。未来から、今へと戻ってきたんだ。失った機会を探しだすために。
訳:ほら、これって、すごく大きな恵みになるかもしれないんだ。キミと、キミと未来の旦那さんにとってね。「あぁよかった、何も機会なんか失ってなかったんだ」って、確認するための。
訳:ぼくは単なる、敗れ去った男の一人なんだ。全然そそられなくて、退屈なね。そして、キミは正しい選択をして、すごく幸せに過ごせるんだ。
セリーヌ、考える
ジェシー、誘う
セリーヌ、考える
ジェシー、誘う
訳:バッグを取ってくるね。
こうして、ジェシーは無事、セリーヌを列車から下ろすことができました。
ジェシーの説得のセリフが、なぜセリーヌを動かしたのか?
理由はとてもたくさんあると思うけど、
ぼくが感心したのは、「人生」と「目の前の数時間」を比較させたことです。
人生という長いスパンで考えれば、
たった数時間は取るに足りない。
「今後数十年ある人生のうち、ほんの数時間なら、まあいいか」
と、提案を受け入れやすいと感じました。
さらにジェシーは、「たいくつな未来」を想像させました。
たいくつな未来を想像することで、
ちょっとした冒険に出てみたいと感じるのは自然ですね!
覚えておきたいフレーズ
・jump ahead
前へジャンプする、という感じだと思うけど、
「未来を想像してみてください」というニュアンスで使えることを学びました。
・what might have happened if you’d…
「もし〜していたら、何が起こっていたんだろう?」
仮定の話を考えてもらうときに使えそう
・think of this as 〜 to find out…
「これを、…を見つけ出すための〜と考えてみてほしい」
意味付けを変える(プリフレームする)ために使えそう
・想像してもらうときは現在形
想像上のことをストーリー的に語るときは、
“You start to think…”のように現在形でOK
映画のスクリプトは、web上でけっこう見つかる
探せばけっこう、映画の台本が落ちてたりします。
映画のタイトル+script
と検索すれば高確率で見つかるので、
気になったセリフを確認したりするのにいいかも。
ただし、ときどき意訳されてたりして
話されたそのままでないことがあるので注意が必要かもしれません。
この記事に書いた列車の中のシーンの動画はこちら(1分47秒)
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